考えていますか?誰から学ぶか、を 【 日々雑感 】
伊沢喜美子さんという方をご存じかしら。私が講義・講演を伺ったコンサルタントの中で、もっともインパクトの強い方でした。
ちょっと昔のお話になるのですけれどね・・・。
当時(江戸時代ではございませんことよ)、私の職場では女性がセミナーに参加するなどということは考えも及ばない状況でしたの。ええ、経営者の考え方でした。
そんなある日、商工会議所主催で女性を対象にしたセミナーのパンフレットを目にしました。この機会を逃してはならじと思い、皆が出払った時にファックスで申込みました。そのときのワクワクした胸の感覚は、今でも覚えているほどですわ。
当日、セミナーのことは内緒で、休暇を取って会場に向かいました。上司に見つかりはしないか、とビクビクしながら・・・。
登壇されたのが、小柄な、母親世代の女性。おはようございます、の声が小さいからと言い直しを要求するような、けれど怖さなどは感じさせない。そんな第一印象を受けたのが、経営コンサルタントの伊沢喜美子さんでしたの。
庄屋さんのような田舎でもお家柄のあるお生まれだったようですよ、でもね、お体に不具合があったとかで、長らく座敷牢のようなお部屋でお育ちになって・・・という現代では思いも及ばないお暮らしぶりを、手振り身振りを添えてちょっと面白く、お話くださって。
その後、ご自身がどのように勉強なさったかのお話や、一緒に働いていらした女性の方々のお話。そして、コンサルタントに入られた会社でのエピソード。息つく暇もないほど、強い声のトーンも変えずにお話は続き、伺う私たちも聞き入って過ぎる時間の速いこと。
昼食の時間になっても、伊沢さんは召し上がらずに、お弁当をいただいている私たちへお話を続けられたのには、さすがに私も驚きました。
午前中と変わらぬパワフルなご様子で、さまざまな事例をあげられ、プロとして働くとはどういうことかを語ってくださいました。4~5時間の長いセミナーは、熱い空気のままでした。
でも、ダメね。雰囲気は今でも覚えておりますのに、お話の内容はすっかり忘れてしまって・・・。
田舎の経理事務所の事務員として、好きでもなく楽しくもない仕事をしておりましたの。それが、そのセミナーで雲が晴れたような思いがしたのですよ。
もともと、好きな仕事であることは少なく、楽しい仕事などあるはずもなく。苦労し工夫し努力する、そのプロセスのなかで好きになり、楽しくなり、プロになるもの。
そのようなことが、腑に落とし込まれました。伊沢さんの、それはもう、命を込めたような言葉の力によって。
職場に嘘をついてお休みをいただいて、お陰様で掛け替えのない学びの機会を得まして・・・・そんな昔話でございました。
ところで、今までにどなたから何を学ばれました?